小説の読み方講座
ついに買った、サザーランド老師の
How to Read A Novel
先述の『キャナリー・ロウ』を既に読み終わったので次はこちらを読む。
サザーランド老師は僕の最も尊敬する文学者の一人です。
初めて彼の著書『ヒースクリフは殺人犯か?』に目を通したときから心をがっちりつかまれてしまっています。
今の文学批評などで用いられているテクニックは学際的で、知的興奮を呼び起こしてくれると言う意味で非常に面白いのですが、如何せん疲れます。思想性、芸術性(、そして多少の憎しみと優越感)に満ちた文章は必然的に難解なものになり、時に「文学を読む」という楽しさをもはや感じることのできないような文章に出会うときもあります。
サザーランドの用いる手法は、「作品世界と読者の世界との間に仕切りが存在しないかのように、テクストのなかに入り込んで論じる」ものだ。(廣野231)
このような老師の方法は、批評の小難しい文章を読んでいるあの独特の感覚をまったく感じさせず、まるで物知りの学校の先生から、自分がこれまで聞いたこともないような知識欲を刺激するような話をしてもらっているような感覚を呼び起こします。
毎週雪崩のように出版される本を前にどれを手に取ろうかいつも書店で悩んでしまう方、お勧めの本です。(まだ拾い読みしかしてませんが、英語も非常に分かりやすく、すらすら読めますよ)。
Works Cited
Sutherland, John.
How to Read A Novel. New York: St. Martin's, 2006.
廣野由美子『批評理論入門―「フランケンシュタイン」解剖講義―』中公新書、2005年。
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